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REST APIの基礎

REST APIの基本概念と設計の考え方

最終更新:2026/05/07

REST APIの基礎

REST API(RESTful API)とは

REST API(RESTful API)は、「Representational State Transfer」の考え方に基づいて設計されたAPIの設計スタイルである。

Web上のデータや機能を「リソース」として扱い、HTTP通信を利用して操作する。
たとえば「ユーザー情報」「商品情報」「予約データ」などがリソースに該当する。

REST APIでは、HTTPメソッドを使ってリソースを操作する。

HTTPメソッド主な用途
GETデータ取得
POST新規作成
PUT更新
DELETE削除

また、リソースはURL(URI)によって一意に表現される。

/users/1
/products/100
/reservations/500

現在では、Webアプリケーションやモバイルアプリ、クラウドサービス間の連携など、さまざまな場面でREST APIが利用されている。


SOAPとの違い

REST APIと比較される技術として、SOAP(Simple Object Access Protocol)がある。

SOAPは以前から企業システムで広く利用されてきた通信プロトコルで、金融系や基幹システムなど、高い信頼性や厳格な仕様管理が求められる環境で採用されるケースが多くある。

SOAPの特徴は以下の通りである。

  • XMLベースの通信
  • 厳密なメッセージ仕様
  • HTTP以外の通信プロトコルにも対応
  • セキュリティやトランザクション管理が強力

一方、REST APIはHTTPを前提としたシンプルな設計で、軽量かつ扱いやすい点が特徴である。

REST APIの特徴としては以下がある。

  • JSON形式との相性が良い
  • 実装ルールが比較的シンプル
  • フロントエンドやモバイルアプリとの連携がしやすい
  • 軽量で高速な通信を実現しやすい

そのため、現在のWebサービス開発ではREST APIが主流となっている。


REST APIの基本原則

RESTにはいくつかの設計原則がある。
文献によって分類数は異なるが、代表的な考え方を整理すると以下のようになる。


ステートレス(Stateless)

REST APIでは、各リクエストは独立して扱われる。

サーバー側は「前回どんな操作をしたか」といったクライアントの状態を保持しない。

そのため、リクエストごとに必要な情報をすべて含める必要がある。

例:

GET /users/1
Authorization: Bearer xxx

この特徴により、サーバー側の構成をシンプルに保ちやすく、スケールアウトもしやすくなる。


アドレス可能性

RESTでは、すべてのリソースをURIで識別できるように設計する。

例:

/users
/users/1
/orders/10

URLを見るだけで「何を扱うAPIなのか」が理解しやすくなる点も重要である。


統一インターフェース

REST APIでは、アクセス方法を統一することが重視される。

たとえば、

  • データ取得は GET
  • 新規作成は POST
  • 更新は PUT
  • 削除は DELETE

のように、HTTPメソッドの役割を明確に分ける。

また、レスポンス形式もJSONなどに統一されるケースが一般的である。

これにより、

  • APIの利用方法を理解しやすい
  • チーム開発しやすい
  • 保守しやすい
  • フロントエンドとの連携がしやすい

といったメリットがある。


接続性(HATEOAS)

RESTでは、レスポンス内に関連リソースへのリンクを含める考え方がある。

たとえば、記事APIであれば、

  • 投稿者情報
  • 関連記事
  • コメント一覧

などへのリンクをレスポンスに含める。

例:

{
  "id": 1,
  "title": "REST API入門",
  "author": "/users/10",
  "comments": "/posts/1/comments"
}

ただし、実際のWeb開発ではこの考え方を完全に実装しているケースはそれほど多くない。


その他のREST設計ルール

クライアント・サーバー分離

RESTでは、クライアント側とサーバー側の責務を分離する。

クライアント側

  • UI表示
  • ユーザー操作
  • 画面制御

サーバー側

  • データ管理
  • 認証
  • 業務ロジック
  • DB操作

この分離によって、それぞれを独立して開発・変更しやすくなる。

特に現在のWeb開発では、

  • フロントエンド:React / Next.js
  • バックエンド:Node.js / Laravel / Spring Boot

のように役割を分ける構成が一般的である。


キャッシュ可能

REST APIでは、HTTPキャッシュを利用できる。

たとえばレスポンスヘッダーを利用することで、

  • 一定時間キャッシュする
  • 更新がなければ再取得しない

といった制御が可能である。

これにより、

  • APIアクセス回数削減
  • レスポンス高速化
  • サーバー負荷軽減

などの効果を期待できる。


階層化システム

RESTでは、クライアントとサーバーの間に複数のレイヤーを挟む構成を取れる。

例:

Client
 ↓
CDN
 ↓
Load Balancer
 ↓
API Server
 ↓
Database

この構成により、

  • セキュリティ向上
  • 負荷分散
  • 可用性向上

などを実現できる。


REST APIの活用例

フロントエンドとバックエンドの連携

現在もっとも一般的な用途である。

フロントエンドがREST APIを通じてバックエンドと通信し、データ取得や更新を行う。

例:

  • React / Next.js
  • Vue.js
  • モバイルアプリ

など。


クラウドサービス

多くのクラウドサービスはREST APIを提供している。

例:

  • Amazon S3
  • Google Cloud Storage
  • Firebase
  • Stripe

など。

APIを利用することで、ファイルアップロードやデータ取得などをプログラムから操作できる。


外部サービス連携

REST APIを利用することで、外部サービスとの連携も容易になる。

代表例:

  • 決済システム(PayPal、Stripe)
  • 地図サービス(Google Maps API)
  • SNS連携
  • 天気情報API
  • メール配信サービス

など。


ECサイトや予約システム

ECサイトや予約システムでは、多数の機能を扱う。

例:

  • 商品一覧
  • 在庫管理
  • カート
  • 決済
  • 予約管理

これらをREST APIとして分離することで、機能ごとの独立性を高めやすくなる。


まとめ

REST APIは、現在のWeb開発における標準的なAPI設計スタイルである。

特に以下の特徴が重要である。

  • HTTPベースでシンプル
  • フロントエンドとの相性が良い
  • JSON形式を扱いやすい
  • 拡張性・保守性が高い

ReactやNext.jsなどを使ったモダンなWeb開発では、REST APIの理解はほぼ必須と言える。

GraphQLなど別のAPI設計も普及しているが、REST APIは今後も広く利用され続ける基本技術の1つである。